A01_01グループの河村佳見さんの論文が掲載されました!
Cellular senescence induction leads to progressive cell death via the INK4a-RB pathway in naked mole-rats
Yoshimi Kawamura, Kaori Oka, Takashi Semba, Mayuko Takamori, Yuki Sugiura, Riyo Yamasaki, Yusuke Suzuki, Takeshi Chujo, Mari Nagase, Yuki Oiwa, Shusuke Fujioka, Sayuri Homma, Yuki Yamamura, Shingo Miyawaki, Minoru Narita, Takaichi Fukuda, Yusuke Sakai, Takatsugu Ishimoto, Kazuhito Tomizawa, Makoto Suematsu, Takuya Yamamoto, Hidemasa Bono, Hideyuki Okano, Kyoko Miura
EMBO J. 2023 Jul 11;e111133
ハダカデバネズミ(デバ)は、顕著な老化耐性・発がん耐性を持ち、最大寿命37年以上の最長寿齧歯類であることから、医学生物学分野の新たなモデル動物として近年注目を集めています。しかしこれまで、デバにおける老化耐性機構については、ほとんど明らかになっていませんでした。本研究では、デバ線維芽細胞に細胞老化を誘導すると、老化細胞がヒトやマウスなどの他の種では見られない細胞死を起こすこと、そのメカニズムとして種特異的なセロトニン代謝と過酸化水素(H2O2)への脆弱性が寄与していること、さらに同様の機構が生体内でも生じていることを明らかにしました。本機構は、生体内での老化細胞の蓄積を防ぐことで、デバの老化耐性、ひいてはがん耐性にも寄与している可能性があります。