A01_01グループの北島智也さんの論文が掲載されました!

卵子の老化で小さな染色体の数異常が起きやすい原因

Live chromosome identifying and tracking reveals size-based spatial pathway of meiotic errors in oocytes
Osamu Takenouchi, Yogo Sakakibara, Tomoya S. Kitajima

Science. 2024 Jul 19;385(6706)

卵母細胞は減数分裂を経て卵子となります。卵子が受精後に正常に胚発生するためには、減数分裂で正しい数の染色体が卵子に分配されることが必要です。しかし、小さなサイズの染色体にはしばしば分配異常が見られ、流産やダウン症などの先天性疾患を引き起こします。老化した卵母細胞では小さな染色体ほど分配異常を起こしやすいことが知られていましたが、その原因は未解明でした。今回の研究では、生きた細胞内で個々の染色体を可視化し、その動態を追跡する新しい解析技術を開発しました。この新技術で、生きたマウス卵母細胞の減数分裂中の任意の染色体を同定し、同時にその動態を追跡した結果、小さな染色体は紡錘体の内側に配置されやすいことが分かりました。さらに、高齢の卵母細胞では、小さな染色体が紡錘体内部に配置されることが、分配異常のリスクであると分かりました。

DOI : 10.1126/science.adn5529

理研プレスリリース
https://www.riken.jp/press/2024/20240719_1/index.html

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