研究業績1

A01-02グループの加藤譲さんの論文が掲載されました!

Yuzuru Kato and Yumiko Saga

Antagonism between DDX6 and PI3K-AKT signaling is an oocyte-intrinsic mechanism controlling primordial follicle growth_

Biology of Reproduction, 2023, 1–10

哺乳動物は卵巣内に蓄えた「原始卵胞」という未成熟な卵子を成長させることで成熟した卵子を作り出します。言い換えると、原始卵胞の「維持」と「卵胞成長の活性化」のバランスを上手く保つことが継続的な卵子の産生に重要です。しかし、そのメカニズムは未だ明らかではありません。本研究では原始卵胞の維持に働くDDX6と卵胞成長の活性化に働くAKTが拮抗することを明らかにしました。DDX6はmRNAの発現を制御する細胞質顆粒の形成に関わるタンパク質です。Ddx6を欠損するとこの顆粒が形成されず、AKT活性が亢進して原始卵胞が異常に卵胞成長を始めてしまいます。一方、Ddx6遺伝子が正常でもAKT活性を亢進させると顆粒が消失して異常な卵胞成長が始まります。すなわち、DDX6とAKTは互いの働きを抑制し合うことで原始卵胞の維持と活性化のバランスを保っていること考えられます。

DOI : https://doi.org/10.1093/biolre/ioad043

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