熊本大学 生命資源研究支援センター
生殖ライフスパンにおいて精巣や卵巣(上図)は時空間的にダイナミックな変化を示しますが、生殖細胞と体細胞が複雑に入り組んでいるため、それぞれの遺伝子発現を調べることは困難です。そこで沖らが開発した光単離化学(PIC)という技術を活用し、細胞タイプごとの遺伝子発現を高解像度かつ高深度に解析します。
東京大学アイソトープ総合センター研究開発部門
遺伝子発現の量的制御は転写とRNA分解のバランスで規定される。修飾核酸を使用した細胞内RNA標識技術を高度化することでライフスパンを通じて変動するRNAダイナミクスの実態を明らかにする。
理化学研究所バイオリソース研究センター遺伝工学基盤技術室
本課題では、卵子や精子を人工的に操作する生殖工学技術により、体細胞クローンや顕微授精、卵子の核置換などを行うことで、ライフ時間進行に伴う卵子の質の変化をもたらす原因を明らかにし、それを人為的に改善する技術を開発する。
国立大学法人東京医科歯科大学統合研究機構 研究基盤クラスター 実験動物センター
個体寿命の加齢変化における生殖細胞の質の変動(動的な生殖ライフスパン)を明らかにするため、若齢期から寿命の全長に渡り安定した飼育環境下で生涯飼育した自然老化動物を育成する。マウス・ラットは老化の表現型がヒトと類似しており、平均最長寿命が3年程度であることから自然老化モデルとして有用である。これにより幼若期・成体期・高齢期・老齢期の各ステージにおいて加齢により変動する生殖細胞の機能解析を行い、その操作技術を開発する。
マウス胚盤胞期胚
マウス新生仔
マウス卵子を操作する様子。体細胞クローンや顕微授精、卵子の核置換などの操作技術を利用することで、ライフ時間進行に伴う卵子の質の変化を明らかにする。
受精後4日間経過したマウス胚盤胞期胚。
仮親子宮への胚移植後19日目に誕生したマウス胎児と胎盤。雌のライフ時間進行に伴い、胎児や胎盤には様々な異常が生じる。
実験用マウスと異なる様々な特性をもつ野生マウス。ゲノム多型を利用することで、両親由来のゲノムを判別し、刷り込み遺伝子の解析などに役立っている。
転写・転写後の組み合わせによる遺伝子調節
霊長類を利用し生殖ライフスパン制御メカニズムの解明に取り組む
研究概要
霊長類とマウスは寿命が大きく違うにも関わらず次世代に伝えられる新規突然変異の数は同程度である。
マウス精子形成の場である精細管のヘマトキシリンーエオジン染色。 幹細胞から精子まで分化している細胞が同心円状に規則正しく並んでいる。
マウス精子形成の場である精細管の免疫染色 (減数分裂期染色体に局在するSCP3に対する染色:緑、マゼンタはDNA)。 幹細胞から精子まで分化している細胞が規則正しく並んでいる。
マウス精巣の免疫組織染色像(RARgamma)
代謝経路阻害の生殖細胞への影響
統計的に有意差のある代謝化合物の特定
特徴的な代謝化合物セットの抽出
人工的に作成した卵母様細胞
人工的に休止させた卵母細胞
人工的に作成した卵子
ハダカデバネズミ
卵母細胞における染色体の三次元追跡。染色体(マゼンタ)、動原体(緑)。
卵母細胞の紡錘体。染色体(青)、動原体(マゼンタ)、微小管(シアン)。
老化した卵母細胞における染色体分配エラー。正常な分配(シアン)と異常な分配(マゼンタ)。