研究・メンバー A03

A03_01 生殖ライフスパンにおける空間オミクス解析

卵巣組織における卵胞

生殖ライフスパンにおいて精巣や卵巣(上図)は時空間的にダイナミックな変化を示しますが、生殖細胞と体細胞が複雑に入り組んでいるため、それぞれの遺伝子発現を調べることは困難です。そこで沖らが開発した光単離化学(PIC)という技術を活用し、細胞タイプごとの遺伝子発現を高解像度かつ高深度に解析します。

A03_02 生殖ライフスパンにおけるRNAキネティクス計測

4-thiouridine (4sU)で細胞内RNAを標識し、標識RNAの経時的な増加・減少から細胞内RNAの発現変化キネティクスを測定

遺伝子発現の量的制御は転写とRNA分解のバランスで規定される。修飾核酸を使用した細胞内RNA標識技術を高度化することでライフスパンを通じて変動するRNAダイナミクスの実態を明らかにする。

A03_03 生殖工学技術による生殖ライフスパンの操作

マウス卵子に右側からのガラスピペットで細胞核を注入している様子

本課題では、卵子や精子を人工的に操作する生殖工学技術により、体細胞クローンや顕微授精、卵子の核置換などを行うことで、ライフ時間進行に伴う卵子の質の変化をもたらす原因を明らかにし、それを人為的に改善する技術を開発する。

自然加齢による老齢マウスと若齢マウス

自然加齢による老化マウスを用いた生殖細胞研究

個体寿命の加齢変化における生殖細胞の質の変動(動的な生殖ライフスパン)を明らかにするため、若齢期から寿命の全長に渡り安定した飼育環境下で生涯飼育した自然老化動物を育成する。マウス・ラットは老化の表現型がヒトと類似しており、平均最長寿命が3年程度であることから自然老化モデルとして有用である。これにより幼若期・成体期・高齢期・老齢期の各ステージにおいて加齢により変動する生殖細胞の機能解析を行い、その操作技術を開発する。