生殖ライフスパンNGS会2024 優秀発表賞受賞コメント

口頭発表賞3名

★鈴木伸之介

自然科学研究機構 基礎生物学研究所 生殖細胞研究部門 助教
総合研究大学院大学 先端学術院先端学術専攻 助教(兼任)

 この度は生殖ライフスパンNGS会で優秀発表をいただき、ありがとうございます。今回は、普段の学会発表では話せない、私の研究に対する大きなビジョンや目標についてお話しさせていただきました。多くの方からいただいたフィードバックや励ましの言葉は、今後の研究を進める上で大きな励みとなりました。また若手の会だからこそ、普段とは異なる内容の発表ができ、それを評価していただけたことに、領域全体の寛容さを感じました。さらにこの会では、同世代の研究者とも多く出会え、今後の研究人生を共に切磋琢磨していく良き仲間やライバルができたことにも感謝しています。今後も全力で研究に取り組み、皆さんとともに成長していきたいと思っています。最後になりますが、今回の貴重な機会をくださった、領域代表の北島さん、そして若手の会の幹事を務めてくださった秋光さん、白根さん、松原さん、佐藤さんに心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました。

★飯阪早希絵

熊本大学 発生医学研究所 染色体制御分野 博士課程2年

 この度は若手の会で口頭発表賞をいただきありがとうございました。
 卵子の加齢に伴って染色体分配のエラーの頻度が変化しますが、それを決定づける上で重要と思われる遺伝子の研究をしております。昨今の女性の社会進出に伴いライフスタイルが多様化する中、女性の生殖ライフスパンを考える上で重要な研究であると考えています。
 研究開始当初はノックアウトマウスにおける表現型がいまいちよくわからず、実りのあるデータが得られない時期もありましたが、理研の吉田さん、北島先生のお力添えにより染色体分配のライブイメージングを撮らせていただいたことで本研究が大きく前進するきっかけとなりました。この場を借りて深く感謝申し上げます。
 また、日々たくさんの助言と丁寧なご指導をくださる島田先生、石黒先生に心から感謝申し上げます。
 まだまだ自分に至らない点がありこのような賞をいただくのは大変恐縮ではございますが、みなさまからの激励と受け取らせていただき、今後もよりこの研究が発展できるよう日々模索、精進して参りたいと思っております。今後ともご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

★飯塚 瑞歩

東京理科大学 創域理工学研究科 生命生物科学専攻 修士2年

 この度は、優秀口頭発表賞という素晴らしい賞をいただき、誠にありがとうございます。学部生の頃から取り組んできた研究が評価されたため、努力が報われたように感じ、大変嬉しく思っております。私の研究は、核とクロマチン構造が大きく変化する精子変態期におけるラミンの機能を解明することを目的としています。本研究では、精子変態期におけるラミンの発現パターンと局在が大きく変化し、これが精子核の変形に寄与している可能性を示唆しました。また、精子変態期のラミンは多くの細胞とは異なるクロマチン構造と遺伝子発現制御を行っていることも明らかにしました。精子変態期におけるラミンの独自の挙動と機能を解明することは、精子形成期の理解にとどまらず、ほぼ全ての細胞に存在するラミンの機能のさらなる理解につながると期待しています。今回いただいた賞を励みに、本研究のさらなる発展を目指して努力していきます。

ポスター賞3名

★上村 修平

大阪大学大学院医学系研究科 生殖遺伝学 特任研究員

 この度はポスター賞という栄誉ある賞をいただき、まことにありがとうございました。我々は現在、絶滅の危機に瀕するキタシロサイの保全を目指し、幹細胞技術を応用した受精可能な卵母細胞の誘導に取り組んでおります。現在は特に卵巣体細胞の誘導を試みており、数々の困難に直面しているところですが、今回の受賞が大きな励みとなりました。またポスター発表の際にも多くの方々がディスカッションしてくださり、貴重なご意見・ご助言を賜ることができました。いただいたコメントについてはラボに戻ってからさっそく実戦投入させていただいております。今後もさらに研究を進展させ、少しでも絶滅危惧種の保全に貢献できるよう努力してまいります。ご支援、ご指導くださった皆様に心より感謝申し上げます。

★奥村 果林

熊本大学大学院生命科学研究部 老化・健康長寿学講座 修士2年

 この度、私たちの研究をこのような形で評価いただけたことを大変うれしく思います。私はハダカデバネズミにおける遺伝子改変の試みという内容で発表させていただきました。ハダカデバネズミはマウスと同等の大きさでありながら、最大寿命が40年であり、がんや老化に耐性がある齧歯類として知られています。また近年は生殖細胞の解析も報告されており、研究対象として大きな注目を集めています。しかし排卵が約34日に一度しかないことや、真社会性動物であるため生殖活動をする個体が限られることなどからハダカデバネズミにおける生殖工学技術の確立はまだ行われていません。今回発表させていただいた内容は発展途上ではありましたが、多くの方に興味を持っていただき様々な意見を頂くことができました。時間のかかる研究ではありますが、次回はより面白い成果を共有できるよう日々取り組んで参りたいと思います。

★藤原 晃大

自然科学研究機構 基礎生物学研究所 生殖細胞研究部門 大学院生
総合研究大学院大学 先端学術院先端学術専攻  基礎生物学コース 博士後期課程1年

 この度は若手の会で優秀ポスター発表賞をいただき、ありがとうございます。これまでの議論やご指導、また多くのサポートをいただいた皆様に、心より感謝申し上げます。私は、哺乳類における生殖幹細胞の有無という大きな雌雄差に興味を抱き、大学院へと進学しました。今年度からは、マウス精子幹細胞に焦点を当て、研究に取り組んでいます。今回初めて若手の会に参加し、最初は緊張していたものの、発言しやすい雰囲気のおかげで、多くの方と議論を深めることができ、とても楽しく充実した3日間を過ごしました。いただいたご意見を研究に活かし、マウス精子幹細胞における謎を明らかにできるよう、今後も研究を楽しみつつ、努力してまいります。最後になりますが、今回の素晴らしい会を企画・運営・開催してくださった皆様に深く感謝いたします。

Discussion賞1名

池田 達郎

自然科学研究機構 基礎生物学研究所 生殖細胞研究部門 特任助教 

 今回は興味深い発表が多く、活発な議論が展開される中で、ベストディスカッション賞をいただくことができ、大変光栄に思っております。私自身、新しいホットなデータを生殖細胞研究の最前線の方々の前で発表する機会をいただき、多くの有益なアイデアや新たな視点を得ることができました。本会での議論は、若い方々の研究を次のステップに進める上で大きな励みとなることでしょう。
 また、この素晴らしい会を企画・運営してくださった松原さん、白根さん、佐藤さん、秋光さんにも心から感謝申し上げます。琵琶湖の景色も美しく、議論の合間に心安らぐひとときを過ごすことができました。
 今後は、いただいたフィードバックをもとに研究をさらに発展させていきたいです。また、来年から私は欧州へ派遣される予定のため、海外でも積極的に議論し、さまざまな方々とともにサイエンスを盛り上げていけたらと考えております。

領域代表特別賞1名

南結月

名古屋大学理学部生命理学科

 この度は若手の会において、領域代表特別賞を頂戴し誠に光栄に思います。私の所属するグループではメダカを用いて性や生殖に関わる研究が行われてきました。メダカではヒトやマウスと異なり、メスでも卵巣において生殖幹細胞が生涯維持され、それは精子にも卵にもなるポテンシャルがあります。卵形成に必要と知られる遺伝子を欠損した変異体のメスでは幼若期には精子形成を行いますが、成体期には卵形成も行うようになります。このような加齢により変化する卵形成のメカニズムの解明を目標とした研究について今回は発表させていただきました。まだ結果も少なく、今後の展望が主な内容の発表となってしまいましたが、評価していただけたことを大変喜ばしく思います。今回の受賞を機に、より一層研究に励みます。ありがとうございました。 最後に、日々ご指導いただいている先生方、ご協力していただいている皆様に御礼申し上げます。

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