基礎生物学研究所 部門セミナー
主催:学術変革領域研究(A)「生殖ライフスパン」
開催日時:2023年11月21日(火) 15:00 –
開催場所:明大寺地区1階 会議室(111)とオンラインのハイブリッド開催
マウス雄性生殖細胞における転写共役損傷の影響
藤原靖浩 博士
東京大学定量生命科学研究所
精子や卵子の元になる生殖細胞を作る過程は、多くの配偶子形成特異的な遺伝子やエピジェネティクス制御によって制御されている。また、転写中の遺伝子領域には、一過的な中間産物としてR-loopと呼ばれる三重鎖核酸構造体が形成される。R-loopは転写制御に強く関わっており、新たなエピジェネティック因子と考えられている。一方で、R-loopはDNA損傷(転写共役損傷)の要因となることも知られている。R-loop構造の解消には、R-loopを特異的に認識し分解するリボヌクリエースRNaseHやDNA/RNAヘリカーゼであるSETXが知られているが、R-loopの解消や形成の分子制御機構は未知な部分も多い。我々は、SETXをコードするSetx遺伝子を欠損すると、減数分裂前期に精子形成が停止し雄特異的に不妊となることを明らかとしている。Setx欠損生殖細胞を用いて解析を行なった結果、SETXは雄性生殖細胞において、転写活性の維持やゲノム恒常性維持に重要な役割を持つことが示唆された。本セミナーでは、R-loopを介した新しいエピジェネティクス制御機構の、生殖細胞の分化における役割について最新の研究結果を示す。
参加ご希望の方は下記までメールにてご連絡ください。zoom参加詳細についてお知らせします。
久保木悠子
kuboki@nibb.ac.jp ※@は半角に置き換えてください
セミナーのご案内のPDFリンクはこちらです